蝶が大好きな私が綺麗だと思う日本の蝶2種類を紹介!

私は、蝶が大好きです。物心ついた時から外で蝶を追いかけ、捕まえて標本にしたり飼育したりしてきました。蝶は、たくさんいる昆虫の中でも最も綺麗な昆虫だと思います。それぞれの蝶が様々な色や模様の翅を持ち優雅に飛ぶ姿は、いつ見ても、何度見ても飽きることがありません。
今回は、そんな私が、日本に生息する蝶で綺麗だと思う2種類の蝶について紹介したいと思います。

日本に生息する蝶の特徴について

私が綺麗だと思う蝶を紹介する前に、日本に生息する蝶の特徴について簡単に説明しましょう。日本には、およそ240種類の蝶が生息しています。この約240種はさらに、セセリチョウ科・アゲハチョウ科・シロチョウ科・タテハチョウ科・シジミチョウ科と5つの科に分かれていて、それぞれ翅の形や色に特徴を持っています。
この240という数は、日本の面積を考えるときわめて多いです。つまり、日本は蝶大国なのです。その理由は、日本の地理的豊かさにあります。
ご存じのとおり、日本は南は沖縄、北は北海道まで南北に長い国土を有しています。そのため、気候も日本の南と北では全然違いそれだけ生息する蝶の幅もひろがっているのです。さらに、日本には標高3000mを超える山々があり、そこには高山蝶が生息しています。
このように、日本の豊かな気候や地理的変異が世界的に見ても多くの蝶を育んでいるのです。

綺麗だと思う蝶その1:ミヤマカラスアゲハ

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私が最初に紹介する日本に生息する綺麗だと思う蝶は、ミヤマカラスアゲハです。漢字で書くと「深山烏揚羽」となります。深山というのは、平地でなく山の深いところに生息するという意味で、烏揚羽というのは、黒っぽいカラスのような色の翅をもっているという意味です。
このミヤマカラスアゲハ、翅の色がとにかく派手で綺麗です。翅の表側は、前翅は金属光沢のある緑色、そして後翅は青や緑の金属光沢と赤い模様で構成されています。一方、翅の裏側は黒基調となっており、表と比べるとかなり地味です。しかし、このギャップがこの蝶の美しさをもたらします。

ミヤマカラスアゲハの飛翔時は息をのむ綺麗さ

ミヤマカラスアゲハは、翅の表側は緑や青の金属光沢、翅の裏側は黒が基調になっています。このような翅の色で羽ばたくと、青や緑の金属光沢と黒色が交互に見えて、息をのむような美しさを生み出すのです。本当に綺麗です。一目見れば、この蝶の虜になってしまうくらいのインパクトがあります。さらに、ミヤマカラスアゲハは飛ぶスピードが非常に早いため、この色のコントラストが目まぐるしく変わっていきそれがより一層綺麗さをプラスしています。
しかし、ミヤマカラスアゲハは、誰でも簡単に見ることができる蝶ではありません。名前の深山にもあるように、山や高原に多く生息する蝶なので、東京や名古屋などの都会では見ることが難しいです。ミヤマカラスアゲハは、年2回、春(4~5月)と夏(7~8月)に出現します。ですから、花見からゴールデンウイークにかけてと、夏休みシーズンにちょうど見ることができるのです。こうした期間に、自然豊かな山や高原などを訪れる計画をされている方がいたら、是非探してみてください。ミヤマカラスアゲハは、花に訪れることが多いので、注意して歩いていればきっと見つけられるはずです。仮にミヤマカラスアゲハはとの距離が離れていても、その色の強烈な輝きははっきりと認識できますよ。

また、北海道に生息するミヤマカラスアゲハは、群を抜いて綺麗だとされています。特に春に出現するものは、他の地域とは比較にならないほどの綺麗さです。よって、春に北海道を訪れる予定の方は、より一層探す価値があると思います。
是非一度、野外でミヤマカラスアゲハを探し、その綺麗さを堪能してください!

綺麗だと思う蝶その2:オオムラサキ

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私が次に紹介する日本に生息する綺麗だと思う蝶は、オオムラサキです。漢字で書くと「大紫」となります。大紫とは、オオムラサキのオスの翅の表側が金属光沢のある紫色に輝いていることを意味しています。オオムラサキは、オスが翅の表側が金属光沢のある紫色、メスが地味な茶色で、どちらも翅に白や黄色の楕円形の模様を散らしています。翅の裏側は、オスメスともにクリーム色となっています。
オオムラサキは、日本の国蝶に指定されています。成虫になると、樹液の出たクヌギの木に集まり樹液を吸います。オオムラサキはその色の美しさからは想像もできないほど「強い」蝶です。樹液の酒場を取り合うライバルであるカブトムシやスズメバチに対しても一歩も引かず、むしろ相手を退却させてしまうほどです。さらに、オオムラサキの飛翔中には、バサバサと翅を動かす音が聞こえ、その飛翔力の強さが窺い知れます。

オオムラサキは、あまりの強さに本来天敵のはずである「鳥」を追いかけてしまう事さえあります。こんなことをするのは、私が知る限りオオムラサキしかいません。被捕食者を追いかける蝶、これだけでオオムラサキは貴重な存在です。
さらに、オオムラサキは自身が属するタテハチョウ科の中で世界一大きい蝶の一種とされています。特にメスは巨大で飛んでいると鳥と見間違える人もいるくらいです。
このように、オオムラサキは翅の色や大きさ、習性にいたるまで独特な要素を数多く備えたとても魅力的な蝶なのです。

オオムラサキは著しく減少している

オオムラサキの翅の表側が、紫色でとても綺麗だということを紹介しましたが、実はオオムラサキは今日本各地で激減しています。元々オオムラサキは、日本各地の里山に生息する普通種でした。オオムラサキがたくさんいた頃は、日本では里山に多くの人が住み、薪に利用するために林から木を切り出していました。こうすることで、適度に伐採された林はオオムラサキの絶好の住処となっていました。しかし、現在里山は放置され暗くなってしまいました。これにより、オオムラサキの活動する場所が奪われ、その数は減少しました。それだけではありません。林を切り開いての宅地開発やゴルフ場づくりもオオムラサキが減少した大きな要因となりました。
オオムラサキはいつの間にか、私たちの前から姿を消してしまったのです。
ただ、嬉しいことに今オオムラサキを復活させようと、数を増やす取り組みがあちらこちらで行われています。食草であるエノキや樹液の出るクヌギを保全したり、オオムラサキについて地域の人に教えたりといった活動が行われているのです。オオムラサキは、もともと生命力の強い蝶ですから、こうした活動がきっとオオムラサキの数を増やす結果につながるはずです。

終わりに

ここまで、私が綺麗だと思う日本の蝶2種類について紹介してきました。どちらも本当に綺麗な蝶で、是非一度野外で飛んでいるこれらの蝶を見てほしいです。そうすることで、蝶に対する認識が深まり、昆虫や自然に対する理解につながり、自然を大切に思う気持ちが芽生えると思います。そうなれば、より一層、日本の素晴らしい自然を守ることにつながるでしょう。日本は、生息する蝶の数が極めて多い蝶大国だとお伝えしましたが、それは、他の昆虫にも当てはまります。この記事を読んだ下さった方は、是非日本の自然の豊かさについて考えて、実際に野外でその素晴らしさに触れてみてください。そうすれば、きっと素敵な出会いがあなたを待っているでしょう。