私の好きワールドを紹介します!携帯電話で作業するフォトコラージュは七宝焼きから始まった!  

小さい時から弥勒菩薩像とか仏像が好きで、中学校の修学旅行の時には、京都でそのレプリカを購入してきたくらい好きでした。どうして好きかと問われても分からないと答えるしかないのですが、とにかく好きでした。他の教科では努力しても覚えられなかったのに、歴史と美術史は何の勉強もしなくても自然と頭に入ってきてテストでも高得点をあげていました。

一番印象的だったのは、古代ローマ時代の美術史のスライドで見せてもらった時、陶酔感のような感覚を味わいました。小さい頃から陶器とか磁器も好きで、「枯れ山水の庭」とか「水墨画」に魅了されていました。陶芸や磁器を愛し、中学生の時には考古学部に所属して瓦を拾ったりして、およそ青春と縁遠い活動をしていました。

国宝の長谷川等伯の水墨画の前で動けなくなる!

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考古学部にいた時、国立博物館収蔵の水墨画の部屋で長谷川等伯の水墨画で息がとまったような衝撃を覚え動けなくなりました。それは霞ががる松林を微妙なタッチで描き出している水墨画でしたが、その美しさと幻想的世界に私はしばし現実を忘れ、そこに佇んだままその水墨画の世界をさまよっていました。

私が好きで成績もよかったものは、美術史や歴史だったものの、美術や芸術とまったく縁のない環境に育ったため、それが職業に結びつくとは思えませんでした。そのため、進学はまったく違う分野に進み、すっかり美術から遠ざかっていました。それでも、美術や美術史に対する憧憬は持ち続けていていました。相変らず陶器も磁器も好きでしたし、着物の染色にも興味を抱いていました。

七宝焼き教室に誘われて入会!

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それでも、実質的に私が美術と具体的に関わりを持つことはありませんでした。ところが、結婚してすぐ、ひょんな機会に恵まれて七宝焼きを習うことになりました。たまたま子供たちに英会話を教えていたアカデミイで、七宝焼きの教室が開設されたのです。生徒が集まらないということで、割引するので参加してもらえないかという誘いがあったのです。その時は七宝焼についての知識もなく、単なる好奇心で始めました。ところが、やってみると、そのガラス質の釉薬と発色の美しさに魅了されてしまいました。七宝焼きは、釉薬といってガラス質の上薬を銅板の上に置いて、高温で焼く焼き物です。この七宝焼きが、私を美術造形の世界に引き戻してくれる機会となりました。

七宝焼きには有線七宝と無線七宝とがある!

七宝焼きには有線七宝と無線七宝があって、有線は銀のリボン線をたてて軽く焼成し、その後、その銀線のなかに釉薬を置いていく手法です。もう一つの手法は、線を使わず自由に釉薬を置いていく無線の七宝技法があります。私はこちらの自由さに魅了されました。特に、好きだった技法は、お釜の中で釉薬を引っかき棒で引っかく「マーブル七宝」という技法でした。

マーブル七宝とは?

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お釜の中の七宝に引っ掻き捧を入れて引っかき、墨流しのような模様を造ります。釉薬の色が絡まりあい、色の墨流しのようなものが描けます。そのカラフルな模様を描き出す手法が面白く、いくつも「マーブル七宝」を造りました。さまざまな色が絡み合い、偶然の色の流れがお釜のなかで作れるのです。温度が低いと釉薬が溶けないので、うまくかき混ぜませんし、温度が高すぎると釉薬が流れて失敗してしまいます。そのあたりの温度加減と回し具合、そして色については数を重ねるうたに分かるようになります。「マーブル七宝」は、色の選び方や引っ掻き方で無限の模様を生み出すことが可能です。そして、造形やデッサンの基礎能力がなくても、偶然の手の動きと火の力が想像もしなかった模様を作り出してくれるところが魅了されました。

日本画も始める!

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そのうち七宝焼きでは、ハガキサイズ位のものしかつ作れず限界を感じ始め、もっと大きなものが描きたいと日本画を習い始めました。日本画の顔料が岩絵の具といって、岩石を原料とすることにも魅了されました。石の顔料をすりつぶして粉状にして、それをにかわで粘りを入れて紙に定着させていきます。岩絵の具は透明感があるので魅かれました。最初、公民館で習っていましたが、趣味の会のような感覚なので、デッサンなどの基礎的な部分や下書きの書き方などについては、教えてくれませんでした。そこで、私はデッサン力が足らないと思ったので、通信教育で一年間「日本画」の基礎を学びました。

墨を使っての下絵の書き方

日本画の下地地は墨を使って、筆で書いていきます。最初の基礎デッサンは線を何本も描き筆に馴染んでから、模写をします。

信貴山鳥獣絵巻の模写をする!

私は信貴山鳥獣絵巻の模写を課題として提出しました。そこで水の流れの描き方とか力強い太い線、繊細な細い線とかを何回も模写して、筆と墨のタッチを体が覚えるまで繰り返します。そこでは、筆のかすれなどを生かして描いたりもします。それが終了すると、そこに色をつけていきます。課題で出たのは百合とフリージアの花でした。ぼかしていく作業なども課題となります。色を置いていくといっても、油やアクリル絵の具と違って墨で描いた線を塗りつぶすということはなく、最初に墨で描いた線は日本画の中で最後まで骨格として生きています。

美術系の短大を通信で学ぶ!

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1年日本画を勉強して、自分のデッサン力の不足を感じて、とうとう美術を基本から習いたいと通信の美術系の短大に編入しデザインや美術造形の基礎を習いました。ここでも何本も太い線、細い線を練習したり、点と線の捉え方などの造詣の課題を提出しました。画用紙にはさみを入れてダイナミックな立体造形の基本を練習させられたりしました。

また、直線曲線を駆使して絵を完成させる課題など、多い教科では7点位提示されるものもあります。立体つくりもなかなか大変で、Mという字を立体で作らされさんざん苦労をして課題を提出したことも憶えています。美術史とかデザイン史などでは論文も提出しなければなりませんので、図書館に通ったりして文献を調べたりしました。けれど、大好きだった美術史をじっくり学べることは、とても幸せな時間でした。そうした基礎をしっかり学んだことで、造形感覚が日常品に生かされるようになったと実感します。また、美術史を系統だって学んだことで、同じ絵を見ても、美術作品をより深く鑑賞できるようになったことも収穫でした。

フォトコラージュで心象風景を表現!

七宝焼きをするのには下水設備やアトリエが必要ですので、現在は七宝焼きはしていません。日本画も初歩の絵の具は岩絵の具にニカワが入っていますが、だんだん中級レベルになるとニカワを自分で煮たりしないともなりません。このニオイがきつく、日本画も趣味以上のレベルには達することができませんでした。今現在、私が表現手段としてはまっているのが、「写真コラージュ」という手法です。私は抽象的作品が好きなので、デジカメや携帯電話の写真機能を使って写真を撮って、それを自分風のアレンジするのです。パソコンのお絵かきツールやフォトショップなどを使って、実際に撮った写真をコラージュ風にアレンジしていくのですが、より手軽にできるのが携帯電話の写真編集機能です。

携帯電話の編集機能で写真をアレンジ!

この携帯電話の写真編集機能は、暇な時に手軽にできるのが便利です。写真だけでは抽象作品は造りにくいのでアレンジして、できるかぎり抽象イメージに近づけていく作業をします。それが自分の心象風景と合致した時、こよなく幸福感を感じます。

写真編集機能でさまざまなアレンジが可能!

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この携帯電話の編集機能は、例えば白い花を撮影した時、編集機能を利用することでピンク色や淡い紫色にアレンジできます。時代がかった懐かしい映像にしたい場合は、セピア色にできる機能もあります。渦巻き風にしたりぼかしのような感じにしたてたりもできます。光を撮った映像についても、色が薄かったりするともっと濃い色目にもできますし、また、レンガ風のアレンジ、油絵風のアレンジも可能です。普通の写真がそうしたアレンジを加えることで、自分の心象風景に近いものに変化していくプロセスはとても好きですし、楽しい時間です。

終わりに

振り返ってみますと、こうした現在の私の創作活動は、七宝焼きから始まりました。七宝焼きは、色や造形に対する私の憧憬のようなものを実現してくれたキッカケになりました。今、私のアクセサリー箱には、私が作った七宝焼きの作品であふれています。そして、それを眺めては、その頃ことを思いだしたりすることが私の安らぎの時間ともなっています。携帯電話編集機能でアレンジされた作品は、私のブログなどに掲載して、こちらも「私の好きワールド」を広げる楽しい時間となっています。